2012年2月28日火曜日

ドアを開けたら冷たい風があたって少しひるむ。

それでも日がのびて、
もしかしてもう春の中なのかなとも思う。


働かせてもらっていた映画館に
昨夜、退職してからはじめて映画を観にでかけた。


ものすごくうるさくてありえないほどちかい
を観た。


朝の回がいちばん集客があって
夜になるほど空いていく劇場だから、
レイトショーではやっぱりがらがらであった。


それでも、周りに幾人かの人の気配があって

ひっ、と涙がこみ上げたときに出た音が恥ずかしかったり

エンドロールの終わりまで
誰も立とうとせず、
ある空気感を共有している感じがあった。



スタッフのまっ黄色いシャツを
わたしも一年前は着ていたと思うと
とても不思議な感じがする。

キャラメルポップコーンの匂いをかぶったまま
自転車漕いでいたのも
過ぎてしまうと、ぜんぶ夢みたいだけれど

ぜんぜん夢じゃなくて
そこにあったし、毎日いたんだなと思う。


高校時代の先生が奥さんと一緒によく来て
「ここの社員か?」と聞かれて
「アルバイトです」
と答えたら、
困ったふうな顔を彼はしていた。


すごく時給が安くて
全然お金も貯まらなかったけど、

だけど劇場を綺麗にしたり
楽しみにやってくる人の顔を見られたり
すごく素敵な仕事だったなと思うし、
いい仕事だなと今も思う。


「映画館でアルバイトをしています」
と言うと
「いいなぁ」
という反応がよくかえってきた。

いいんだよ、とよく思った。




自分のしてきたことのぜんぶ、
冴えないことも明るいこともぜんぶ、
過ぎてもなくなることはないのだなと思った。

2012年2月25日土曜日

ものとはなす

明日、26日まで
狭山のcafe leuteでは
ヨーロッパと日本のものを中心に集められた
雑貨たちの展示と販売がされています。


「小さな道具展」
と、つけられた名前のように
ひとつひとつ、雰囲気をまとった素敵なものが集まっていました。


わたしは写真にもあるくまくんが
どうにも愛らしくて、
くたっとしてすっかり眠ってる毛の感触にも心惹かれ、
一緒にうちに来てもらうことにしました。


ひとつひとつに味わいがあって、
それから物語を持っていて
ほかにも惹かれるものが
ほんとうにたくさんありました。


ぜひ
ご覧になって、
どんな街で手に入れたのか、
どんな過程を経て、いま目の前にやってきたのか、
ロイテのふたりから
お話聞けたら、たのしいと思います。




わたしも、
やってきてくれることになったくまくんとの出会いがとっておきなので
もう欲張りはできないけれど、
ゆっくり眺めに出かける時間が
この週末にまた、つくれたらなぁと思います。

2012年2月24日金曜日

遠回りのようで最短距離であった。

雨が降るごとに温まる。

新聞屋さんのバイクの音

タックタックタック


まだあたりは暗いけれど
いまが夜明け

そのさなか。



柔らかくなった土の下の
新芽の気配に
目がつつかれている。

2012年2月21日火曜日

お仕事明けの、小さな駅にある小さな花屋さんが
暗くなっても電灯ともして開いていて
帰り道
駅舎にむかう横目で眺めてばかりだったのだけれど、
駐輪場で払う小銭を作っておこうと思って
この間はじめて立ち寄った。


アネモネを買って帰って
明日生けなおそうと思って台所に置いていたら
「気持ちが明るくなるね」
と母が喜んだので、
部屋に持っていくのをやめて、そのまま台所の花瓶にさしておいた。



花屋のお姉さんは体格がよくて、
くっきり二重の大きな目をしている。


丸い指先の短い爪の際は緑黒く染まっている。


なんとなく、
彼女をすてきだなと思って


昨日もふらふら立ち寄って
ラナンキュラスと金魚草とレモンリーフを貰った。


お姉さんはそこにいるだけで
親しげなやりとりがあるわけではないのだけれど、
駅の隣の小さな花屋に彼女がいることが
なんとなく今うれしい。

チクタク、トントン

帰り道に駅の歩道橋を渡っていたら
作業後の造園会社の人たちが、
橋の下にある工事中の現場を覗き混んでいた。

木が幾本も植わっている。

大きくなるといいなと思った。

2012年2月13日月曜日

ビエネッタ

朝、電車の中でNHKラジオを聴く。

ラジオは、わたしの日々とも並行して進行していて
それでいて
遠くにあってとても安定していて
耳に入るとなんだかとてもほっとする。



ラジオのブースの中はきっとあたたかいから
コートはいらなくて
電車の振動で私がぐらついても
アナウンサーの声はぶれたりしない。



物語のなかには
物語の時間軸の外を生きる人物や場所がしばしば登場して

主人公はいっとき
直面している問題から離れて
物語の進行の止まったひとときの中で
その人との交流や
その場所にあることで
心身をととのえたり
ヒントを得たりして
また自分の物語へ帰っていく



ラジオはそれに
すこし似ていると思う。





帰り道にドトールに寄ったら
Blackbirdが流れて心がほぐれた。



勇気をだして歩いて帰ろう。

2012年2月12日日曜日

ビー ヒア ナウ

自転車を漕いで橋に差し掛かると
真っ白い富士山が見えた。


お腹がとても空いていて、
帰ったら秋刀魚の缶詰つかって
炊き込みごはんしようと思う。

生姜をたくさん入れて作ろうと考える。



ブータンにはお墓がないとラジオ深夜便で話してた。


死んだ命は新しく生まれ変わるから、
先祖を祈ったりする習慣もないと聞いた。



永遠を生きることが
現在に生きることを生み出すということ。



わたしは永遠を知りません。





でも時々触れている気がする。

2012年2月11日土曜日

線路は終わり。

自分の中にあるどんな気持ちも
明らかになって困らないけれど、

胸の中にだけあたためて
持っていたいものや
持っているものがあって

それは
街を歩いてる
あのひとやあのひとの中にもそうしてそれぞれ
しずかに抱えられて燃えているのだろうと思うと

ひとりひとりの人の影が
やわらかくて切なくて
とてもあたたかく映る。





あかるい話をしようよ、
と思う。

かなしみとか
やりきれないものを
見えないところでひとり、ひとりが
向き合いほどいている。

涙のあとがみえたとき
黙ってぬぐってくれる手、手。

手がほしい。
手になりたい。


会えたらやさしくなって
話したり話さなかったりしながら


何か同じものを見られるといいなと思う。

2012年2月7日火曜日

グラデュエーション

お仕事を終えて帰り道
電車の乗換えで国分寺を通ったので
お花屋さんへ寄った。


花の組み合わせで迷っていたら
「下のグリーンもすてきですよ」
と店員さんが声をかけてくれて

右手に集めた花と
そのグリーンを合わせると
本当にぴったりだった。

おもわず顔がぱっとなったら
彼女がにこって笑って
すごく嬉しい気持ちになった。


朝起きて思い出しても
やっぱりすごく嬉しくて
胸がじわーんとして泣きそうになる。

水につけておいた昨日の花と
部屋の中ですこし傷みはじめた花とを
花器にいけなおしながら、

仕事って
こういうことなのかな
とふと思う。

ひとつの仕事の中にも色々な側面があるけど

昨日、
お花屋さんがわたしにくれたもののようなこと

それを
日々、ちいさなことを繰り返して地道に積み重ねて
生み出すこと。

その人を、しずかに発揮して
与えること。

受けとってもらうこと。





「あなたはやさしいから天国へいけるよ」
とこのあいだ言われた。
自分がやさしいとは思わないので不思議だった。

やさしさとして受けとってくれる人がいるということ
それだけなように思う。

それはすごく
幸せなことだと思えた。





サボテン好きのいとこが
サボテンをふた鉢くれて
部屋にすこしずつ緑が増えてきた。
こぼれ落ちた多肉植物の葉も
土においておいたら根をつけてくれた。


温室みたいな部屋で
いつか寝起きしたい。

2012年2月4日土曜日

うるうどし

昨日はお休みだったので
親戚に会いに行った。

食事などに介助が必要なので
ヘルパーの勉強をしてから遊びに行くとすこし、
手伝わせてもらうようになった。

難しいことはしていないけれど、
安心して頼んでもらえるようになって
それだけでも勉強してよかったように思う。


大きなやけどのあとや、
手足がないこと、
からだがちいさいこと
おおきいこと
ふとっていること
やせていること


そういうことが
社会で暮らすなかで
傷みにならないような
あたらしいアイデアがほしい。


そういうことを
ここ数年ずっと
どこかで考え続けてる気がする。


別に大きなことがしたいわけじゃないけど、
なにかやわらかい方法。






夜は家に帰って
ミュージックステーションに出てるYUKIちゃんを観た。

歌いながら観た。

タフネス!

明るいひかり。



今、
部屋の天窓から
どんどん光が入ってきて
椅子にかかった毛布を
照らしていて
静か。

遠くで氷の割れた音が
届いてきそうなくらい。

空き地で鳥が鳴いた。

2012年2月3日金曜日

ピカピカ!

人の気持ちの小ささが
とても素敵だと思う。

一瞬の眼差しの中に
気持ちを見つけてはっとする。

割り切れるものばかりではないこと。

口にしないたくさんの気持ち。

風が流れる。
ゴオゴオ、
その間に間に

何気ないひとことに全てを救われる。

特急電車が走り去る間
駅のホームで見送った
かなしいこと、
うれしいこと、


おかあさん、あのね
せんせい、あのね



誰にも話さず持ち帰って眠ること。


あのこが笑うと嬉しくなること。

届いたメールを開けないまま
ポケットに携帯電話をしまう気持ち。



自転車漕いで鼻が赤くなる。


小さな気持ちに揺れて
人はなんて綺麗だろう。





あ、
節分だ。


北北西!
恵方巻!!