2016年2月15日月曜日



ぼたぼたと降る雨
春の雨だ
 
空がおもたくなっている
 
地面が、あつくなっている
 
 
 
沈丁花を探しに行きたい
ここらではどこに、木があるんだろう
 
 
昨日は、五位堂という駅まで
お芋屋さんの仕事で出かけた。
 
近鉄に乗って、遠い。
窓の外の景色が変わって行く。
 
冬をこして枯れた田畑、近づいてくる山影。
 
ここはどこ、と思って調べたら奈良県だった。
 
 
 
ひとり、がたがたと
お店を開ける準備をする。
 
前日シフトだったしょうこちゃんが
エプロンの上に「がんばれ」というメモを置いてくれていた。
 
2台のオーブンをつけて、
へたを切ったお芋を入れていく。
 
オレンジのオーブンのあかり。
情景反射みたいに、心がじんとゆるむ。
 
大阪に引越してきたばかりの時
何もわからないまま色んな駅にいって
ひとりでお芋を売っていた時のことを思い出した。
 
2ヶ月前のこと。
 
さびしくて、
「どうしてここにいるんだろう」と思いながら
お店に立っていた。
 
でもオーブンで、お芋を焼くのは楽しかった。
軍手をはめてお芋の焼き加減を確かめに
オーブンに手を入れると、手もからだも、暖かくなった。
 
じっと焼いていれば
かたかった生芋は、甘い匂いだしてやわらかくなった。
 
オレンジ色のオーブンのあかりは
「わたしが好きなもの」だった。
 
何にも由来がなく、どこにいるのかもわからなかったけど
その、たしかに、好ましいもの、が自分の居場所になった。
 
 



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