2016年5月7日土曜日




 
洗濯物がたまっていく
 
明日、まとめてごそっと
洗濯をしよう
 
 
メールの返信もたまっている
 
 
 
 
髪の毛が綿飴のようになってきていたので
切りたいな、と思っていた
 
佐田さんが中崎町にやってきたついでに
描き足した絵を渡した日
夕方からくぼやんのところに髪を切りに行くというので
わたしも便乗して連れて行ってもらった
 
ふたりが髪を切る横で
パソコンを開いて仕事をする
 
はじめての仕事ばかりで
焦ってぼろぼろとしている
 
髪を切る暇なんて、ともいえるけれど
だからこそ髪を切りたかった
 
パソコン作業をしていたら、見落としていた失敗に気づいて
「どうしよう…」と口に出したら
くぼやんと佐田さんが「え、相手に聞いてみればいいじゃん」と
返事をくれて、あぁほんとうに、そうだ、と
すこし気が楽になった
 
それだけでも髪を切りにきてよかったな、と思った
ひとりだったら「どうしよう…」のループのなかにいたかもしれないから



相手先に電話をかける
 
東京の夕方に繋がる電話が不思議だ
 
 
今日やることがあり
明日、やることがある
 
それはたぶん
なんとか、だけど
めぐっているということなのかもしれないな
 
出会いのなかから
めぐりが生まれている

そんなことを、ふと実感する




 
髪を切るふたりの会話が聞こえてくる

「最近大工さんと山菜採りをして、そしたら山菜が目に入るようになって
 車を運転してても、このへん、ありそうだなーとか、目に入るようになった
 山菜を見る、目ができた」

くぼやんが佐田さんの話を聞いている。
 
この話は、野草のはなしをしていたまゆみさんが言っていたことと
まるで同じ感覚のことを言っている、
そう思った。
 
まゆみさんの話を、くぼやんも一緒に聞いていたから
きっとくぼやんの頭のなかにも
まゆみさんのことが浮かんでいると思ったけれど
 
くぼやんは聞きながら、まゆみさんのことは話さなかった。
 
佐田さんの発見を
佐田さんのところで
聞いていた。
 
 

 
 
 
メールの返信が終わったところで
わたしの番になった
 
 
みじかくざっくり切ってもらう
  
 
くぼやんが
たったったっと
ハサミをいれていくので
 
どうして瞬間瞬間に
ハサミをいれられるんだろうと思って聞くと
 
「…さっきの話じゃないけど、目があるんだと思う」
と、くぼやんが言った
 
切るところが、見える目
 
 

 
 
  
夜、くぼやんの家でごはんを食べたとき
ふとくぼやんとふたりになって
くぼやんの語ってくれた話が
忘れがたい
 
 
ひとりひとりそれぞれに
そのひとの目にしか
見えない景色をみて
 
時々ふいにそれを
わかちあうような
瞬間がきたりする
 
そして波がひくようにして
またそれぞれの
景色の中に
 
  





翌日から2日間の企画があり
企画を終えた夜はのこさんが
「なおちゃんの来阪祝い」といって
晩ごはんをごちそうしてくれた
 
  
 
のこさんとは2年前、
穂高の山道を
すこし山の下にある、お風呂まで
一緒に歩いた
 
途中、座っているカモシカの親子を見つけて
黙って顔を見合わせたりすることもあった
 
のこさんはその時足をくじいていて
山道を降りる途中で急なところは先を進む誰かに
手をひいてもらっていた
 
その姿が思い浮かぶ


今、隣を歩くのこさんの足どりは
すっすと軽い



「なおちゃんは赤ちゃんみたいって思う」
のこさんからそう言われる。
仁美ちゃんからも2回言われたことがある、と思った。
自分のことは、自分ではわからないな、と思う。



大正駅でのこさんと別れて
家に帰る道
橋を渡ったときに
風から潮のにおいがかすかにした
 
 

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